<< September 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
<< 裁判員制度よりも参議院廃止 | main | 意志動詞と無意志動詞について >>

AUの「つながれる」が意味する内容

「シンプル、シンプル」の歌い出しで始まるAUのCMをご覧になりましたか。私は、その歌詞の後半に出たある言葉に、思わず耳を疑いました。その言葉とは「家族ともっとつながれる」です。

では、簡単に活用形をご説明します。
  辞書形   可能形    受身形
  つなぐ   つなげる   つながれる
  なぐる   なぐれる   なぐられる
  はなす   はなせる   はなされる
「つなぐ」の可能形は「つなげる」です。「つながれる」では受身形になってしまいます。

文法的に理解するのが難しい方は、「鎖につながれた犬」をイメージしてください。「つながれる」とは、この犬のような状態です。

さらに、私をつないでいるのは誰かを文法的に考えると、それは家族ではありえません。それならば、「家族に」にならなければならないからです。「家族と」の「と」が「家族と共に」の意味である以上、「私と家族」をつないでいるのは「AU」でしかありえません。

つまり、「AUという支配者に家族と共につながれてしまう」というのが、あのCMのメッセージなのです。一家まとめてAUのペットにしようとは…

もちろん、深い思慮もなく、語呂のよさで「つながれる」にしたんでしょうが、この間違いは企業イメージに影響しないのでしょうか。

最近のCMを見ていると、企業はエコや家族愛を利用したイメージアップに躍起になっているようです。私としては、もう少し日本語も大切にしてもらいたいものです。

 


この記事のカテゴリー:CM , comments(12)

コメント

 貴方と同様の違和感を感じていた者です。
 しかしながら貴方の意見には少し疑問を感じます。
 『つながれる』の動詞を『つなぐ(connect)』として議論されていますが『つながる(link)』とは考えられないでしょうか?
 勿論、疑問点は残ります
1)『つながる』は自動詞として正当なものではないかもしれないので可能形を持つのはおかしい。
2)『つながる』の可能形が有るとしてもそれは『つながれる』が妥当か?
 2)に関して考えますと『つながれる』は受身形の様に感じられ可能形としては『つながらる』が妥当な気がします。
 ご意見をお願いします。
Comment by 名無し @ 2008/07/13 1:18 PM
「つながる」は無意志動詞です。無意志なので、可能形にできません。
(「雨が降れます」とか「窓が開けます」とは言えませんよね。)
可能形にできるのは、生き物が動作主である「つなぐ」の方です。

実は、名無しさんのような無意志動詞でも可能形にできるとお思いの方からのコメントは既にいただいておりましたが、最初の方が別ページにコメントを書かれたため、私の説明も不本意ながらそのページに書きました。

他の方からのコメントもご覧になりたい方は、お手数ですが、6月29日の記事をご覧ください。
Comment by 左近 @ 2008/07/13 3:01 PM
管理者の承認待ちコメントです。
Comment by - @ 2008/07/14 3:07 AM
「つなげる」は「つなぐ」の可能系ですが、
「つなげる」単体でも下一段活用の終止形になるかと思います。辞書にも載っていました。文語的な表現みたいですが・・・。意味は「つなぐ」と同じです。

一般的にキャッチコピーなどは一目見て意味が理解できる「簡便さ」が重視されます。「つなげる」を使用しますと、可能型なのか辞書型なのか判別がつきにくくなるので、敢えて「つながれる」という言葉を使ったのではないでしょうか。

最近のインターネットなどでは、ネットワークというものは自分の意志を超え、勝手に「つながっていく」イメージがあると思います。勝手につながっていくんですが、その「勝手につながっていく」速度をさらにスピードアップさせたい・・・。という需要が
あるのではないかと思います。

「つながれる」という言葉は、そうした需要に応えるようなニュアンスがあるように個人的には感じました。それで、違和感は無かったのですが・・・。

私の日本語力が未熟なだけかもしれません・・・。
Comment by MSD @ 2008/07/22 9:04 PM
「つなげる」の可能形は「つなげられる」です。ら抜き言葉を許容しても「つなげれる」です。文法的に「つながれる」を解釈したら、「鎖につながれる」のような意味でしかありません。

無意志動詞は、「勝手に」とか「自動的に」といった場合に用いるため、MSDさんがインターネットの例でお書きになった通り「つながっていく」という表現がもっとも適当だと思います。やはり、AUは語呂のよさで「つながれる」としたのではないでしょうか。

それにしても、無意志動詞でも意志動詞でも違和感ないという方が、これほどまでいらっしゃるとは。「終われない」のように、「つながれる」も一般的な言葉になってしまうかも知れませんね。
Comment by 左近 @ 2008/07/22 11:35 PM
拝読しました。
無意志動詞に可能形はないことは理解できます。

そこで「家族ともっとつながれる」を「つなぐ」の可能形「つなげる」に直してみました。
「家族ともっとつなげる」では「を」が無くて変なので「家族をもっとつなげる」となるのでしょう。

「(AUをつかえば、あなたは)家族同士をもっとつなげる」という意味になるのでしょう。
意志性があります。意志動詞ですから当たり前ですが。

CMを見てはいませんがその意図は、《「AU」を使えば家族同士が **自然に/意図することなく** つながることができる》だと推測します。
それを表現するのには、意志性のはっきりしている「つなぐ」でも「つなげる」でもなく「つながる」、その可能形「つながれる」の選択が妥当なのではないでしょうか。

また、はたして「つながる」を無意志動詞と言い切れるでしょうか。
にわかに思いつきませんが、文脈によっては意志性のある場合もあるのではないかと思っています。
Comment by ソル @ 2008/08/08 12:41 PM
Googleニュース検索から。
番号および ** は私が付加しました。

1.引きこもりの人や経験者、家族が自由に語り合い、きっかけをつかむ場にしたい考えで、周南市社協の有馬俊雅業務課長は「緩やかに **つながれる** 場になれば」と話している。

2.どのようにして社会と **つながれる** のかという「装置」でもある。

3.関心/興味がある分野で技術者どうしが **つながれる** ようにする OKI社内SNSである

4.そこからでも、**つながれる** 何かを見つける方法はないかという姿勢


「1」の例で「つな・ぐ」の可能形「つな・げる」、「つなげ・る」の可能形「つなげ・られる」を使うと「(周南市社協)が引きこもりの人や経験者、家族をつなぐことができる」の意となりましょう。他動詞ですから。

しかし原文は「(引きこもりの人や経験者、家族)が自らつながることができる」の意だと思います。こちらは自動詞。

このような使い分けがあるならば「つなが・る」の可能形がないとはいえないと思います。
(新しい使い方かもしれませんが)

また、無意志動詞には意向形もありませんが、「つなが・る」の場合は意向形「つなが・ろう」もありそうです。
「つなが・る」が無意志動詞であるというお考えに疑問を感じるゆえんであります。
Comment by ソル @ 2008/08/08 2:42 PM
ソルさんへ

検索された例は、どれも「つながる」です。新しい使い方となるには、年代や地域を問わず、日本国民の多くに定着しなければならないと思います。新聞や教科書に登場するようになったら、新しい日本語と言えるでしょうが、今のところ「だいじょばない」と同レベルだと思います。

ただ、無意志動詞の可能形として、「このままでは終われない」のような例はあります。なぜか「終える」を使う日本人は少ないようで、「終わる」を意志行為にも使う人はいます。

「終わる」なら新しい使い方と言えるかもしれませんが、「つながる」はそこまで浸透していないように思います。
Comment by 左近 @ 2008/08/08 11:00 PM
この「つながれる」に対する指摘は、私以外にも多くの方がされています。しかも、そのほとんどが日本語教師や作家といった専門家によってです。

KDDIやCM制作会社の人なら、必死に「つながれる」を肯定するでしょうが、私としては、これだけ説明しても理解されないことに、少々とまどっております。私の説明力不足でしたら、すみません。
Comment by 左近 @ 2008/08/08 11:31 PM
コメントありがとうございます。

なるほど、私のあげた例は「つながる」になりますね。

「つながろう」も誤用とお考えですか。
無意志動詞には意向形もないので。

1.今年は「打ち水でつながろう」がテーマ。
2.世界とつながろう。


「だいじょばない」ってなんでしょう。初めて聞く言葉です。
Comment by ソル @ 2008/08/09 12:05 PM
「つながろう」の例として挙げられた文についてですが、これらも「つなごう」の意味で書かれたのだと思います。もしくは「つながるようにしよう」でしょうか。

ただし、活用形自体がない訳ではなく、「例え世界とつながろうとも」や「雨が降ろうが雪が降ろうが」のような文型もあります。

「だいじょばない」は、以前このブログで話題になった言葉です。「大丈夫じゃない」を「だいじょばない」という人がいるということで質問を受けました。「だいじょうぶ」に「あそぶ」と同じ活用をさせたのが原因だと思います。
Comment by 左近 @ 2008/08/09 1:18 PM
管理者の承認待ちコメントです。
Comment by - @ 2008/09/28 12:13 PM
コメントする