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ハリー・ポッターの翻訳は難しい?

ハリー・ポッターには誤訳が多いそうですね。(参考サイト「ここがおかしい、ハリポタ日本語版」)

このサイトを読むだけで英語の勉強にもなるのですが、それ以上に意思伝達の難しさを再確認させられたような気がします。

日本語教師と翻訳家には、意思を正しく伝達するための協力者という共通点があります。しかし、日本語教師が教える日本語は、複数の学習者を通して無数の日本人相手に使われることになるため「汎用性」が重要で、翻訳家が訳す日本語は、1人の著者の意思を正しく理解して無数の日本人に伝えるため「正確性」が重要という相違点があります。

どちらも言語の専門家なんでしょうが、やはり大きく違いますね。

ところで、もし著者の表現が稚拙だったり間違いだらけだった場合、翻訳家の方は、それを忠実に再現するのでしょうか。それとも、正したり補ったりするのでしょうか。

今の日本人の日本語は、ハリー・ポッター以上に訳し辛いように思います。

 


この記事のカテゴリー:英語 , comments(6)

コメント

はじめまして。書き込みさせていただきます。翻訳学校で勉強し、翻訳の疑問について今色々と消化しているところです。最後にあります「本文が間違えだらけだった場合」ですが、場合によっては直すもののようです。翻訳といっても、実務(ビジネス文書や雑誌など)、文芸、児童文芸、映画など色々あります。現実的に、あまり名の知られていない作家だと、翻訳家あるいは出版者があえて手直し(絵本などの場合は、ツクルことも)することもあるようです。個人的には反対ですが。
ですが日本の文学でも、Aさんの読む夏目漱石とBささんの読む夏目漱石は当然違うはずなので、誰もが完璧と言う翻訳はありえません。
実務文書の場合は、明らかに論理が不明確な場合など、語順を変えたり(日本語化することはすでに語順を変えることだが、それ以上に)して、分かりやすくしてあげることもあります。
映画は、字数制限の世界なので、バッサリ切ったり、理解を促す言葉を入れてあげたりという作業が多くなります。
Comment by しゅう @ 2008/06/22 5:44 AM
ハリー・ポッター日本語版の場合は、単に表現の方法の違いなどどころではない深刻な問題が多すぎるように思います。
まずは誤訳が非常に多いですね。それから日本語としても間違った語句・表現・言い回しもそれ以上に多い。また、舞台となっているイギリス・ヨーロッパの文化・社会的背景を知らない為に勘違いして訳してしまっていたり(誤訳の一種でもありますが)箇所も多い。
本来なら、外国文学の翻訳をする場合は訳自体だけでなく、そうしたことを検証する専門の編集・校正者によるチェックが入るのですが、ハリーポッター日本語版の場合は、翻訳をなさっている松岡女史自身と下訳の女性二人の計三人、つまり翻訳をした本人たちが校正もしている、という非常にお粗末な仕事をしており、そういったことが現代の出版界での常識では考えられないような誤訳・珍日本語だらけの訳本になってしまっている原因といえるでしょう。
Comment by テンペスト @ 2008/09/29 7:39 AM
翻訳というのは、本当に難しい作業のようですね。シドニーオリンピックの柔道で誤審で負けにされた篠原選手のインタビューが良い例だと思います。

「僕の力が弱かった。それだけです。」

たったこれだけの文ですが、日本人なら「(誰の目にも明らかな勝ち方ができなかったのは)自分の力が弱かった(からだ)」というニュアンスを含んでいたことが分かったはずです。つまり、目標とする柔道と比較して「弱かった」と言いたかったはずです。

しかし、海外では、本人が負けを認めたので、誤審でも何でもないと伝えられていたそうです。要するに、この「弱かった」を「相手よりも弱かった」と訳していたのです。

テンペストさんがお書きになった通り、文化・社会的背景を知らなければ、翻訳という仕事は成り立たないのでしょうね。
Comment by 左近 @ 2008/09/29 4:52 PM
言葉が違うということだけでなく、違う文化の中で生まれた文学を、他の文化で育った人に伝えるというのは単に単語を訳せばいい、というのではすまない部分が非常に多いですね。例えば"lip"は簡単に「唇」と日本語に訳されてしまいますが、英語の"lip”と日本語の「唇」は必ずしも同じではないし、英語でpurpleと表される色と日本語で「紫」と表される色の範囲にずれがあったり・・・・。
それに文化・社会的背景以前に、両方の言語の達人でなければ翻訳はできない、というもっと基本的な“お約束”もあるんですがね・・・・。どうもハリポタの場合はその段階から問題があるようで・・・・。^^;
英語圏の国ではローリング女史のすぐれた文章自体に対する評価も高いのに、残念なことです。
Comment by テンペスト @ 2008/10/05 9:16 AM
言語や文化に精通した人でなければ、良い翻訳はできないというのはもっともですが、ハリーポッターとは逆で、日本の文学が正しく翻訳されていない例の方が多いのではないでしょうか。

海外でも村上春樹の作品は人気があります。しかし、私には彼以外の作家がなかなか海外で認知されないことが不思議でなりません。日本文化はイギリス文化よりも広く知られていないでしょうから、それだけ優れた翻訳家も少ないのではないでしょうか。

日本のアニメや映画の方が圧倒的に海外で認知されているのも、映像が理解を助けている面が大きいように思います。

テンペストさんは、英語圏にお住まいなのでしょうか。よろしければ、日本の作品がそちらでどのように翻訳されているかも教えてください。
Comment by 左近 @ 2008/10/05 12:20 PM
日本の作品で英訳されてものは残念ながらあまりないですね。いわゆる古典的なものや、名作といわれるものの一部を除いては翻訳されているものも非常に限られてますし、仮に翻訳されているとしても、一般の書籍店に並ぶことはほとんどない、といっても過言ではないぐらいです。私は本好きなので普通の人よりかなり多く本屋通いするほうだと思いますが、日本の翻訳本を実際に見かけたことはあまりありません。というわけで、日本の本がどうやって翻訳されているのか、あまりよく知りません。ごめんなさい。

英語圏の国はたくさんありますから、イギリスで発行された本はそのままアメリカでも売れますし、逆もまた然り。その他、オーストラリア、カナダなど、少しでも自国で売れた本は他の英語圏の国でも発行されることが非常に多いし、それだけたくさんの作家のさまざまな作品があふれかえっているわけですから、そこに日本の本が入り込むのは大変なのではないでしょうか?

例えば、日本でのアニメ・コミックがその種類も量もあふれるほどなので、その市場にアメリカのコミックまで入り込める余地がない、仮にちょっと入ったとしても需要がない、という感じではないかと・・・・・。
Comment by テンペスト @ 2008/10/06 1:18 AM
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