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心理学から考える日本語教師に向いている人

「どんな人が日本語教師に向いているのか」

1、2年で辞めていくことが多い日本語教師という職業について、心理学「マズローの欲求段階説」を元に、考えてみようと思います。日本語教師を目指していらっしゃる方は、是非お読みください。


まずは、マズローの欲求段階説について
 マズローの心理学が「人間主義」とよばれる理由に、人間を成長する存在であると見ている点がある。彼の「欲求段階説」あるいは「欲求階層論」も人間がより高次な欲求に向かって成長するという前提に立っている。

  高次  5 自己実現の欲求…自分らしく生きたい
   ↑  4 自我の欲求…他人から認められたい、出世欲
   |  3 社会的欲求…仲間とうまくやりたい
   ↓  2 安全の欲求…危険から身をまもる
  低次  1 生理的欲求…食欲・睡眠・性欲など

        「テキスト経営学(ミネルヴァ書房)」より抜粋

この欲求段階説によると、低次の欲求が満たされると、より高次の欲求へ向かうが、低次の欲求が満たされなくなると、そこの欲求が最大になるそうです。


このことから、辞めていく日本語教師には、次のような欲求の移り変わりがあると考えられます。

1)実家、あるいは配偶者の存在により、飢え死にはない。(安全の欲求が満たされている)
2)会社ではそれなりに上手くやっている(社会的欲求まで満たされている)が、ここでは本当の自分を発揮できない。
3)何かしらのきっかけで日本語教師を目指す。(自己実現の欲求へ向かう)
4)日本語教師として働き、大変ながらも自己実現が満足されていくのを感じる。
5)新しい環境に馴染めない(社会的欲求に不満)とか、将来も過酷な労働を続けることへの不安や金銭的不安(安全の欲求に不満)とかを感じるようになる。
6)日本語教師を諦める(最大の欲求を満たすため)


では、「どんな人が日本語教師に向いているか」ですが、欲求段階説を元に考えると、次のことだと分かります。
 [1] 安全の欲求が将来にわたって満たされている人
 [2] 現地の社会、学習者との関係、教師間の関係を、良好に保てる人
 [3] 自我の欲求が強くない人

既婚者、資産家、副収入が十分にある方なら、[1]を将来にわたって満たせると思います。[2]は相性や運によるところもありますが、探せばいつか見つかると思います。日本語教師は学習者からの尊敬や感謝が得やすいので、自我の欲求は満たされやすいと思います。ただ、昇進や昇給がほとんどないので、自我の欲求が強くないマイペースな方が向いていると思います。

[2]と[3]は、それほど厳しい条件ではないと思うのですが、若い方には[1]が大変です。「結婚された女性」「定年退職してから」が日本語教師に向いているのではないでしょうか。

転職をお考えの方、参考になりましたでしょうか。自己実現の欲求だけに惑わされないよう、「いつか日本語教師になる」くらいの計画が無難だと思います。

 


この記事のカテゴリー:日本語教師 , comments(1)

コメント

同感です。数年前まで 昼間は会社員、夜は日本語教師という形態で働いていた者です。今は、日本語教師のみに徹していますが、 本当にこの方のおっしゃる通りだと思います。
Comment by りりらん @ 2008/03/05 2:59 PM
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